nanoVNAの素晴らしい所は1ツの端子の内側に精密なブリッジを内蔵して発振器の出力と受けた信号を分離。さらに、それら2ツの信号の位相差を分析できます。
アマ無線用の小型でシンプルなアンテナの特性をスミスチャート上で見ます。1200MHz用のアンテナ、位相をシフトして垂直ダブレットにマッチングしています。
目的の周波数にマッチングしてますが、50Ωからずれています。
DISPLAY-->TRACE-->TRACE3はOFF (非表示)にしています。
5倍高調波を利用、フル・スパン 1500MHzまで。ここでは威力を発揮します。
430MHzの方はズレがひどく380MHzくらいに共振点があるようで、目的の周波数ではインピーダンスもとんでもない値。ハイパワーだと送信用の終段素子が反射で壊れるかも。
次はWide Band Receiver (0.1--1300MHz)に付属のアンテナ
430MHzの方はズレがひどく380MHzくらいに共振点があるようで、目的の周波数ではインピーダンスもとんでもない値。ハイパワーだと送信用の終段素子が反射で壊れるかも。
最初は硬質ゴムで被覆。使った人たちの感想ではゴムを除去した方が飛びが良いとのこと。つまりゴムの材質 (黒色用カーボンを含有?)に支障があった。効率はともかく、この時点ではマッチングは取れたかも知れない (メーカーの製品)
ゴム被覆を取り除くと確かに輻射は良くなります。バネ状金属のむき出しは良くないので熱収縮スリーブを被せて現状です。コイル状のエレメントを引き延ばして、または、少し切り縮めるとマッチングするでしょう。コイルを引き延ばす方が実効長に有利です、やや大きくなるけれど。
同じ特性をUSB接続でコンピューター画面で見ると以下のように鮮明です。
アンテナの根元にローディング・コイルがありそうです。
マーカーはありませんが、150MHzに共振点があります。高い方にもワイドに凹みが現れています。スミス・チャートは奇妙に歪んでいます。マッチング回路の影響かも。
ざっと見た感じでは144MHz, 430MHz兼用のアマ無線用ですね。これで120---135MHz帯の航空無線を受信するのは苦しいです。小型化を別にして専用の垂直1/4波長アンテナか、欲張って1/2波長の垂直ダブレットにすれば、感度は数段良くなるでしょう。
Wide Band Receiverには目的 (周波数帯域)別にアンテナを工夫する、そんなときの評価に役立つnanoVNAです。
なお、この広帯域受信機には大きい磁気ループ・アンテナを組み合わせてみました。8の字形指向性の強い物で、やや扱いが面倒です。しかし、工夫すれば混信を回避したり、高感度で受けられたりできます。角度次第で水平/垂直の両方の偏波面にも対応できます。






