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Loop Antenna used a coaxial cable |
ネット上に掲載された物の再現>
片方にBNCプラグの付いた同軸ケーブルを用意する。 手元にあった2mに満たないケーブルを円形にすると直径50cmくらいなった。
切り離しの先端は4cmくらい外皮ビニールとシールド網線を取り除く。 中芯線は3.5cm出して、絶縁体を5mm残して取り除く。
ケーブルを丸めてループにする。 ケーブルの所定の位置で外皮を切り開く。そこから小さいマイナス・ドライバーをコネクターの方向に向かって差し入れ、シールドの網線をなるべく傷付けないように、ビニール外皮と共に持ち上げて隙間を作る。
その隙間に剥き出しにした中芯線を差し込んで接触させる。そこに接点用シリコーンを吹いて防錆する。外側に固定と保護を兼ねた絶縁テープあるいは自己溶着テープを巻く。
注意:ここではマッチング抵抗を省略し直結 (下方に追記あり)
接続点をハンダ付けする場合、シールドの網線に相当な熱を加えるだろう。同軸の絶縁体、ポリエチレンなどは熱で容易に溶ける。こうした事情を克服できる技量ががあればハンダ付を推奨する。
仕上げは保持の枠だが、金属より絶縁体の方が問題が少ない。 有り合せの木材と塩化ビニールのパイプで画像のようにまとめた。 円形にはこだわって欲しい。面積でゲインが決まり、同じ円周長なら真円のとき面積が最大になる。
支持枠とケーブルのつなぎ止めにはタイ・ラップを使った。 一部にビニール被覆の針金も使用した。今は、主に室内の実験なので対候性は考慮しなかった。屋外で数年も使うなら、その辺に十分な工夫が要るだろう。
電気的な特性は広帯域>
下は中波から上は1GHzを超えて入感する。何ともブロードバンド、おおむね周波数の低い方で感度低下、高い方で意外に高感度。 中波以下のローバンドでは、かなり巻き数を増やす方が良さそうだ。それでUHFにどんな影響が出るのかは未知数。
ここは受信用に限定。 送信に使うなら所定の周波数で VSWR をきちんと測定した方が良い。
驚きはもう1つ、地上高に対してもブロードで、ダブレットなど共振型とは違う特性らしい。
ファラーディ・シールドなので、周辺ノイズに若干有利のはず。
明確にノイズ源がわかっていなくても、ヌル方向を合わせてS/Nを稼ぐことができる。 SDRではスペクトラムを見ながら最適な位置を求め易い。
弱点など>
受信用で問題があるとしたら、それは指向性。 ループは8の字と言われるが、確かに鋭いヌル・ポイントが発生する。 目的の電波が、そこに落ち込んだら絶望的。
水平偏波のFM放送などループ面と地面が平行にして高感度になる。 受信の対象によっては、固定しては使い難いかも知れない。カメラ用の三脚に取り付けてパン棒で回すのはどうだろう。
この弱点を克服するなら、2つのループを直交させて合成するとか、指向性を生かしてスィッチで切り換えるのも良い。
手持ちでテスト中も明らかにボディ・エフェクトを感じた。建物が鉄筋コンクリートだと戸外に出すのは必須だ。
超?簡単に作れて広帯域、おまけに無調整だから、1つ、2つ自作してみては如何?
追加して欲しいのはマッチング抵抗。 ケーブルの中芯線を一周したところで外皮と接触させたが、ここは使用したケーブルの特性インピーダンスに合わせて50Ωまたは75Ωの抵抗を入れる方が良い。使用する抵抗はチップ型のような小型でLC成分の少ない純抵抗が望ましい。周波数の低い方で確実に反射が少ない。一方で高い周波数では感度もマッチングもかなり波立つ。その原因は抵抗だけではSWRを完全には改善できない。またはGHz帯になるとケーブル自体の質が関与するらしい。
細い同軸ケーブルで直径2センチくらいの小さい磁気ループを作る。延長ケーブルは無い。必要な時に別のケーブルで延長する。BNC-J のみでコンパクトで保管が容易。
簡易な測定では、かなり広帯域に平坦、感度は低いだろう。
アンテナとは発想が異なる。相手は基板上の局所から漏れる磁束を検出する。
コンデンサーで結合するのと比べて検出成分は違ってくるだろうが、
同軸の外皮が絶縁物で対象物と通電しない。共通GNDの接続も無くてよい。
ただし、電磁的な結合も対象物に何がしかの負荷となることに注意する。
ここで実用例。LED電球(10W)のコンバータ電源(AC 100VからDC 17Vへ)から高周波ノイズが出る障害。画像は2次側の整流用ダイオード(半波、1個だけ)に小型磁気ループを近づけて、ループからの出力をDSO(オシロスコープ)に入れると・・・
この作業で危険なのは一次側のAC 100V回路。十分安全を考慮すること。